3.ケーブルを延長する場合の提案

提案の前提:一次側と二次側の比較

以上の電圧降下の基準選定方法を踏まえて、電源からコンクリート打設場所までが200m離れている場合に、一次側と二次側のどちらのコードを延長することが総合的に得策かを、具体的な事例で検証します。

【検証事例】

  • 高周波電源機器: HC220
  • インナー(負荷): HBM40Zを2台使用
  • 延長距離 (L): 200m

コードサイズの比較計算

(1) 一次側を延長する場合

一次側(AC200V区間)は、高周波電源機器 HC220 の定格入力電流 I1 = 7.0Aを使用します。
許容降下電圧e = 6V をもとに導いた②式(S1≒(L×I1)/200)に代入します。

S1≒(200m×7.0A)/200=7.0㎟

これより大きくて最も近い標準コードサイズは8mm2です。
したがって、8mm2のコードを 200m 準備する必要があります。

(2) 二次側を延長する場合

二次側(AC48V区間)は、インナー HBM40Z の定格電流 5.5Aを2台分使用するため、I2 = 5.5A×2 = 11.0A となります。
許容降下電圧e = 3V をもとに導いた③式(S2≒(L×I2)/100)に代入します。

S2≒(200m×11.0A)/100=22.0㎟

これより大きくて最も近い標準コードサイズは22mm2です。
したがって、22mm2のコードを 200m 準備する必要があります。

結論:一次側延長の優位性

  • 一次側で必要なサイズ : 8mm2
  • 二次側で必要なサイズ : 22mm2

8mm2のコードと22mm2のコードとでは、価格、重量、および現場での取り回し(扱いやすさ)において大きな差があります。 
以上のことから、ケーブルを延長する場合は、一次側を延長する方があらゆる面で経済的かつ得策であるという結論になります。

【推奨事項】

高周波電源機器(インバータ・コンバータ)は、できる限りコンクリートを打設する場所の近くに設置し、電源機器の電源もできる限り近くから取るようお勧めします。

やむを得ず二次側で延長コード(コードリール・中間コード)を使用する場合は、『 4.二次側延長時の注意点 』をご確認ください。