バイブレータ選定の基礎知識

現在、我が国におけるバイブレータの規格には、「JIS A 8610 コンクリート内部振動機」および「JIS A 8611 コンクリート外部振動機」があります。
内部振動機では、φ90未満の場合は130Hz以上、φ90以上の場合は90Hz以上、外部振動機では低周波が20~69Hz、高周波が70Hz以上と規定されています。
しかし、一流バイブレータメーカーの製品は、これらの規定をはるかに超える性能を備えています。
本稿では、なぜ『高周波バイブレータ』が今日の主力となったのか、その背景と理由を解説します。

低周波振動の影響を示す図(象・少年・テントウ虫)

(A)低周波の場合

高周波振動の影響を示す図(象・少年・テントウ虫)

(B)高周波の場合

上図は、物質の質量によって振動数の違いが与える影響が異なることを示しています。
1枚の板の上に、質量(重さ)の異なる象、少年、テントウ虫が乗っています。

図中(A)は、周波数の低い振動の影響を示しており、重量の大きな象は大きく揺さぶられていますが、軽い少年やテントウ虫にはほとんど影響がありません。

一方、高い周波数の影響を示す(B)では、象はほとんど動じないのに対し、少年はかなりの振動を受け、テントウ虫に至っては非常に大きな影響を受けています。

このように、振動の影響は被振体の質量に関係し、軽い物体には高周波の振動が効果的であることがわかります。
この性質はフレッシュコンクリートにも当てはまります。
粗粒な粗骨材の移動には25Hz(1500vpm)程度の低周波、細粒な粗骨材には50~100Hz(3000~6000vpm)、そして細骨材やセメントペースト部分には150~240Hz(9000~14000vpm)の高周波振動が有効です。

かつては、この振動数を得るために小型ガソリンエンジンをVベルトで増速していた(E-MF型)時代もありました。
しかし、現在では商用電源の周波数(50または60Hz)をインバーターで変換し、振動部に内蔵された特殊モーターで直接振り子を駆動する「高周波バイブレータ」が主力となっています。

さらに、このバイブレータはインバーターまたはコンバーターからバイブレータまでの間の電圧規格を48Vに下げており、以下の規定により安全性が確保されています。

  • 厚生労働省 労働安全衛生規則
    第333条(漏電による感電の防止)
    第334条(適用の除外)
  • 経済産業省 電気用品安全法
    別表第8(共通事項 構造)
  • 経済産業省 電気設備技術基準
    第4節 第28条(機械器具の鉄台及び外箱の接地) 
    第4節 第41条(地絡遮断装置等の施設)

これにより、安全性が高く、作業重量も旧来の機種に比べて軽量化されています。
さらに、実用新案製品であるHBMフィンヘッドは、独自の振動部形状によりコンクリートへの振動伝達ロスを減らし、良質なコンクリートづくりに最良の結果をもたらします。