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貯槽のトラブル

貯槽体のフロー・パターンは下図に示した様に"マス・フロー"と"ファンネル・フロー"に大別されます。
全ての貯槽がマス・フローであったなら、排出促進用の機器、装置類は無用の長物と化してしまいます。
しかし、現実は案外"ファンネル・フロー"の貯槽が多く、排出促進の為に何らかの補助手段を設けているケースが多いのです。

(a)マス・フロー

(b)ファンネル・フロー

次に貯槽に発生するアーチング現象がどんなメカニズムで発生するか簡単にご説明します。
下図を参照下さい。図-2のfは粉体圧によってかためられた粉体の強度、Sは貯槽の条件(壁摩擦系数、コーン角度)によって生ずるせん断力です。
ここで、f<Sの場合は、粉体はかたまらないので排出し、f>Sの場合は、粉体はかたまり閉塞が起こります。
f=Sの点がこの分岐点であり、閉塞限界径といいます。
従ってアーチングを発生させない為には、貯槽の出口径を閉塞限界径より大きくすれば良い訳ですが、現実にはさまざまな事情によりその条件を満たしている貯槽は少ないのです。
尚、閉塞現象は図-3に示されたy=h/Hが0.3~0.4程度の範囲の粉体圧の極大点でおこりやすくこの部分の粉体の圧縮を防止することが必要なのです。

ホッパー内の圧縮アーチとアーチ径
図-2

逆円錐ホッパーの粉体圧分布
図-3